「一度見たら忘れられない!」とご好評をいただいているROMANsの第3弾となる作品紹介です。
今回も様々なシチュエーションや情景など、いろんな瞬間が作品には描かれており、その意味をご紹介するのですが、解釈や感じ方は人それぞれ。
ポップでキュートな見た目もそうですが、意味を自分なりに捉えて、あなたのお気に入りを発見してもらえたらと思いますので、最後までぜひ目を通してくださいね!
それでは、今回もポップな画風にも関わらず人生を考えさせられるような「ROMANs」アートの独特の世界観を5作品紹介していきます。
人生には孤独も必要?「ROMANs」アートの独特の世界観
駒
人間は、無力な主人公でありながら、同時に時間の不安定さを自覚しているゲーム(人生)の駒である。
テトリスのピースとともに渦を巻いて落ちていく様子は、私たちの日常生活や現代生活全般のスピードを象徴している。
また、明日は多くの小さなピースで構成されており、日々前進して小さな幸せを手に入れるためには、そのピースを可能な限り最善の方法で組み合わせなければならないということを意識している(私たちが常にコントロールできるわけではない)。
”人生”と”テトリス”を照らし合わせ、自分自身もまるでテトリスのように降ってくる『駒』の一部だと表現している。
落ちるスピードと日々過ごしている時間も対となっていて、形をはめ込むためにテトリス回転させる様は、まるで1日の慌ただしさを思わせるようだ。
また、未来の一瞬一瞬が積み重なって綺麗に消えることは、小さな幸せをかき集め、その日に訪れる大きな幸せへと導くに違いない。
よく見ると、人型のピースだけ色が違うのは、幸せになるためには「自分」というピースが1番重要になってくるということも伝わってくる。
イン・バーガー
私たちは消費の産物そのものになっている。
悪循環の中の人食い人種のようなものであり、その悪循環の主人公である私たちは、需要者であり、供給者であり、同時に生産者であることに気づかないことがあまりにも多い。
日本でもファストフードとして人気が高いハンバーガーに人が挟まれている様は、まるで未来の食について言及しているように見える。
生きていくためには仕方のないことだが、消費、需要・供給・生産の全てを人間がまかなっていることが悪循環となって、さらにそれを「産物」と呼んでいることは、いつかこのような食べ物が提供されなくなるのではないかと問題提起しているようだ。
皿にも見える下の青い部分は、きっと地球を表していて、大陸がないということは、きっと”そういうこと”かもしれない。
ソリティア
孤独は、人間にとって非常に重要な条件である。
孤独を怖がったり、常に戦ったりすることもあるが、社会的動物であることを自覚し、それゆえに本当の人間関係を必要としていることを自覚した上で、自分自身と向き合う時間を毎日探すべきだと私は信じている(だからこそ、誰かと一緒にプレイするゲームの描写がされている)。
自分自身を本当に知ることによってのみ、私たちは自分自身を他者に与えることができ、他者が私たちに与えたいと思っているものを他者から受け取ることができるのだ。
周りの風景から一人で過ごしていることなんてとても想像のできない一枚。
人は一人になった時、孤独を怖れたり、立ち向かったりしながらも、その孤独の時間で自分自身と向き合い、本当の自分自身を見出すことで、他人に優しくすることができたり、思いやったりすることができるのだろう。
ピエロ
この絵は、決して死ぬことのない古代の歴史的人物へのオマージュであり、私がいつも魅了されている人物である。
実際、道化師は民衆と権力を結びつける存在とされ、広場の中でも王宮の中でも人々に笑顔をもたらし、考えさせられる存在である。
作者のジョルジオ・サウリーニ氏が魅了されている歴史的人物へのオマージュとして描かれているピエロ。
一般的には、サーカスなどで見かけることが多く、その無言の風貌とは裏腹に、見る物すべてを笑顔にするといった非常に珍しい存在である。
ピエロを見ている前では、場所や権力を問わず、誰しもが笑顔になることで、その瞬間だけは上も下もないと感じさせてくれる。
WAR
タイトルを見れば一目瞭然だろう。
それは戦争に反対する思想であり、今、戦争が非難され、否定されるべきものであることは明白だと思う。
非常に複雑な概念を可能な限り単純化して言えば、戦争はそのあらゆる形態と衰退において、常に政治的/経済的な目的も持っているものであり、先進国や民主主義国家であると公言する以上、ミサイルや死ではなく、外交や対話によって達成されるべきものである。
この観点から、私は軍隊を犠牲的な被害者として見ている。
これはタイトルの通り、戦争について感じていることがそのまま描かれている。
武力ではなく、外交で解決することで、このような犠牲者が一人でも多く減るというメッセージ性が込められていることだろう。
政治的や経済的な理由があれど、人ひとりの命には代えられないという強い思いが前面に出ているようにも思える。
作家ジョルジオ・サウリーニの紹介
1984年生まれ、イタリア出身ローマ在住の作家。
ローマ大学ヴァッレ・ジュリア建築学部でグラフィック・マルチメディア・デザインの学位を取得。大学卒業後、グラフィックデザイナー、CGモデラー、アニメーターとして数年間働いた後、ITパートナーとともにレッドドール有限会社を設立し、ソフトウェア開発とバーチャルリアリティの分野で事業を展開した。
プレイステーションのVRゲーム「ピンポン」やゲーム業界最大のプラットフォーム向けのゲームを開発したビジネスの成功と急成長にもかかわらず、自分の仕事に満足していないことに気づき、自分が情熱を持っていたアート制作一本に専念することを決意。
彼のファミリーは芸術一家で、実際幼い頃から写真監督である父の作品や、1800年代初頭からローマで活動し、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンの大英博物館、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館など、世界の最も重要な美術館に所蔵されている有名なカメオ彫刻家である先祖のトマゾ&ルイジ・サウリーニ親子の作品にも魅了されていた。
2019年以来、彼はアート制作を自らの生業にして自身のドローイングを現代社会のスピードから逃れるための日々のセラピーと考え、また深い哲学的な世界観をテーマとする。さまざまな試行錯誤の後、キャンバスパネルにアクリルマーカーを使って描く今日のスタイルを確立した。
ハイスピリッツ&ユウからのメッセージ
第3弾となる清々しいのに孤独を感じる?「ROMANs」アートの独特の世界観をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
今回も深いメッセージ性が込められている作品ばかりで、心打たれるものもありましたね!
皆さんもそれぞれの感性で自分だけのお気に入りの作品を見つけていただけたら嬉しく思います。
今後、「ROMANs」作品につきましては、原画の国内取扱いをはじめ、展覧会の企画、企業様とのタイアップ/ライセンシーの募集、アニメーション動画制作などを通し、皆様に愛されるアート・ブランドへと成長することを願い、幅広くプロモーションを行なってまいります。
また、これからも「ROMANs」作品をどんどんご紹介してまいりますので、そちらもお見逃しなく!