皆様からご好評いただき、国内で作品の展示会もスタートした話題の「ROMANs」アート。
今回ご紹介する作品たちは、社会的な事項をテーマにして描かれている作品を中心に、考えれば考えるほど自分なりの感じ方ができるものばかり!
それでは、どちらが権力者?社会的なメッセージの「ROMANs」アートをご紹介していきますので、ぜひ最後までお楽しみください!
「ROMANs」アート
新たな情熱
この作品はコロナウイルスの閉鎖期間中に制作された。
私が表現したかったのは、自分たちを幸せにしてくれる唯一の日常生活である仕事をする機会を奪われ、多くの人々が苦しんでいる孤独と倦怠感だった。
そのため多くの人々は、洗濯機を使って洗濯をするような、はかないが効果的な新しい情熱に逃げ込んだ。
世界中を震撼させたコロナウイルスを多くの人々が感染拡大を防ぐため自粛期間を設けた際の自宅に閉じこもっている背景がメインとして描かれている。
しかし、気持ちはとても前向きで、効果は薄いが洗濯機で服を洗濯するように自分自身の気持ちも綺麗にして、また新しい何かに情熱を注げるように応援してくれているかのようだ。
一定の期間苦しい状況は続いたが、終息した現在でも働き方に改善が見られ、今では悪いところばかりではなかったと思える日常が帰ってきている。
SDGs
持続可能な成長は今日非常に人気のある概念であり、世界各地で多くの政治家がこの概念について語り、それを達成しようとしている。
私は、持続可能な成長はよく分析され、理解されるべき概念だと思う。
消費主義的な超生産性の追求として理解されるのであれば、それは矮小化されたものであり、結局はより多くの超富裕層とより多くの超貧困層を生み出すだけである。
SDGs(持続可能な開発目標)は今や世界中で注目を浴び、この達成に向けていろんな物事が動いている。
この作品における赤い枝のようなものが、持続可能な何かだと表現されているように見え、しっかりとした本質を見抜いていなければならないと感じる。消費的で生産性を高めなければいけないようなものならば、より富裕層と貧困層を差を広げるだけだという様子が伝わってくる。
「人類が安定してこの世界で暮らし続けること」を目標としているのに、それができたことで時間や労働に捕らわれる人も出てくるという注意喚起がされているのかもしれない。
社会的正義
法律は誰にとっても同じではないことがある。
多くの国では、たとえ最も文明的な国であっても金と特に権力があれば、より寛大な判決が下される。
明らかに天秤に乗っている人の数に差があるのだが、どちらが権力者かすぐにおわかりだろう。
一人しか乗っていないのに優雅にコーヒーを飲むことができる権力者と虹の掛かる空、もう片方では多くの人がバランスを取るために必死に天秤にしがみついた波乱の雷雲。
下の方で食われている様子は、法に裁かれるシーンが描かれているようで、作風とはに似つかわしい残酷な描かれ方ではあるが、実際に起こっている事項なのが考えさせられるものである。
洗脳社会
『ホモ・ヴィデンス』とは、ジョヴァンニ・サルトーリが書いた本のタイトルである。
ホモ・サピエンスは、もはや真の理性はなく、私たちが釘付けになっているスクリーンを通してのみ周囲の世界を理解することができる、何か違うものに進化しつつあるという事実について書かれている。
ビデオで生き、ビデオで人生を知るこの新しいタイプの人間こそ、まさにホモ・ヴィデンスなのである。
これまでの進化の過程では、何かを行動することでひらめき、チャレンジを繰り返しながら成長を繰り返してきたのではないかと考えられる。
そのため、現代ではテレビだけではなく、YouTubeなどネットの情報だけでいろんな知識を取り込むことができるようになったが、その過程はまるで絵に描かれている通りである。
だが決して悪いことだけではなく、世界中の人とも簡単に交流ができ、国境というものが薄くなっていきている気もする。
コロッセオからの解放
Tana libera tutti (イタリア語の原題)は、かくれんぼのゲームで使われる表現で、「タナティ」になった人全員を助けてゲームを終わらせるというものだ。
私は、この作品から伝わってくる解放感と幸福感が好きだった。コロシアムを世界の本拠地にして、みんなを歓迎し、『解放』する準備が整っているのだ。
闘技場としても有名なコロッセオを舞台とした場所でかくれんぼが終わり、解放された人たちが大勢出てきている瞬間が表現されていて、まさにパレードや祭りのよう。
なせか解放感と嬉しさと「ここからまたなにか新しいスタートが切れる」という気持ちにさせてくれる不思議な作品。
なにかに悩んでいたり、捕らわれている人に一度は見てほしいと感じる。
作家ジョルジオ・サウリーニの紹介
1984年生まれ、イタリア出身ローマ在住の作家。
ローマ大学ヴァッレ・ジュリア建築学部でグラフィック・マルチメディア・デザインの学位を取得。大学卒業後、グラフィックデザイナー、CGモデラー、アニメーターとして数年間働いた後、ITパートナーとともにレッドドール有限会社を設立し、ソフトウェア開発とバーチャルリアリティの分野で事業を展開した。
プレイステーションのVRゲーム「ピンポン」やゲーム業界最大のプラットフォーム向けのゲームを開発したビジネスの成功と急成長にもかかわらず、自分の仕事に満足していないことに気づき、自分が情熱を持っていたアート制作一本に専念することを決意。
彼のファミリーは芸術一家で、実際幼い頃から写真監督である父の作品や、1800年代初頭からローマで活動し、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンの大英博物館、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館など、世界の最も重要な美術館に所蔵されている有名なカメオ彫刻家である先祖のトマゾ&ルイジ・サウリーニ親子の作品にも魅了されていた。
2019年以来、彼はアート制作を自らの生業にして自身のドローイングを現代社会のスピードから逃れるための日々のセラピーと考え、また深い哲学的な世界観をテーマとする。さまざまな試行錯誤の後、キャンバスパネルにアクリルマーカーを使って描く今日のスタイルを確立した。
ハイスピリッツ&ユウからのメッセージ
どちらが権力者?社会的なメッセージの「ROMANs」アートをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は社会的な話題に触れている作品も多く、いろいろと考えさせられるものばかりでしたね。
皆さんもそれぞれの感性で自分だけのお気に入りの作品を見つけていただけたら嬉しく思います。
今後、「ROMANs」作品につきましては、原画の国内取扱いをはじめ、展覧会の企画、企業様とのタイアップ/ライセンシーの募集、アニメーション動画制作などを通し、皆様に愛されるアート・ブランドへと成長することを願い、幅広くプロモーションを行なってまいります。
また、これからも「ROMANs」作品をどんどんご紹介してまいりますので、そちらもお見逃しなく!